03月31日(土)
●D・W・グリフィス監督「國民の創生」(1915)
國民の創生アイ・ヴィー・シー
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二部構成。創世記の作品ですがファンタジーも冒険活劇もなく社会的な仕上がりですね。第一部の南北戦争編、アメリカ人にとっての南北戦争ネタ大好きぶりはお馴染みですが、この時代でキチンと脚本が構成されているのは意外に思いました。そして第二部のKKK(クー・クラックス・クラン)編。いくらフィクションとは言え、その結成への経緯がおおまかに描かれていたのは新鮮でした。まァ、結果的に何が言いたいかというと、映画としてのストーリーテリングとか脚色の部分よりは、ある種の資料映像とか出来の良い再現フィルムとしてしか受け止められなかったというのが正直なトコですねェ。
03月28日(水)
●鈴木清順監督「けんかえれじい」(1966)
けんかえれじい日活
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若き高橋英樹がアツイ!その高橋にケンカと生き様の指南役をするのが川津祐介。端役も含めてバカも休み休み言え!の連打。はじけてます。脚本が新藤兼人。このオッサンら一体何なの?この翌年が「殺しの烙印」なので、映画監督としてはこれくらいでも結構なハジケっぷりなんでしょうが、未だ衝撃なのは「ツィゴイネルワイゼン」へのジャンプアップですね。あの飛躍の仕方は、ここ最近の私の最大の関心事でもあります。意味からの離陸。あやかりたいですねェ。
03月26日(月)
●大友克洋監督「スチームボーイ」(2004)
スチームボーイ 通常版バンダイビジュアル
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TV録画にて。祖父、父、息子の科学者一家3人の男の物語。万国博覧会に湧くロンドンを舞台に、世代間の対立や科学と正義の共存が描かれていました。これも、劇場公開中の「蟲師(むしし)」の前フリですね。80年代の人、と一言で片付ける気は毛頭ないし、日清カップヌードルCMのアニメーションも凄いとは思うんですけどねェ。
03月25日(日)
●ジム・エイブラハム監督「ホットショット」(1991)
ホット・ショット20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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新旧の名画のパロディー化。観る側の映画偏差値を試すようでもあり、理屈ぬきで腹から笑える仕上がりとは離れてしまってすねェ。ギャグに関しては、とにかく数を打つタイプの監督だと思うんですが今回ムラが激しいんじゃないかなァ、と感じましたねェ。
03月18日(日)
アダルトDVD強化期間に入ります。さようなら。
03月17日(土)
●F・W・ムルナウ監督「吸血鬼ノスフェラトゥ」(1922)
吸血鬼ノスフェラトゥアイ・ヴィー・シー
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18世紀末のベストセラー「吸血鬼ドラキュラ」を映画化したモンスター映画では最初期の作品のひとつ。にもかかわらずタイトルをノスフェラトゥ(不死の血、とか、なんか、そんな意味)に変えてパクリを否定。モロバレなので裁判ではもちろん敗訴、とか映画のビジネスモデルとしてもいろんな意味で前例を作りまくったようですね。この時代で既に長い耳とか鋭い爪とかの特殊メイクも成功してるとは思うんですが「怪物くん」や「エクソシスト」、「スリラー」で育った私は、正直今さらコレを新鮮には観れませんでしたねェ。
●バスター・キートン監督「キートンのセブン・チャンス」(1925)
キートンのセブン・チャンスアイ・ヴィー・シー
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突然、遺産が転がり込んでくる男の結婚にまつわるドタバタ喜劇。まァ、結局はいつも通りのキートン映画です。なんて事のない柱の部分はカッチリ決めておいて、後はその物語の合い間合い間に意表をつくカラダを張ったギャグがちりばめられる感じ。ケガや骨折が日常だったのは当然ですねェ。宮崎アニメは落ちそうで落ちないハラハラの描きこみが得意技ですが、バスター・キートンとかジャッキー・チェンの場合、死にそうで死なない、ギリッギリのアクションですからね。しかもスタントなし。コメディーに命かけるって、やっぱ惚れちゃいますねェ。
●小津安二郎監督「秋刀魚の味」(1962)
秋刀魚の味松竹
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ここまで出来上がってると、もう私の幼少期の70年代TVホームドラマの原型に近い感じですねェ。本人、意外におっとり型らしい岩下志麻の気の強い役どころを決定付けた作品なんじゃないでしょうかね。親孝行の娘に満足しながらも嫁に行き遅れるのを心配し出した父、笠智衆の物語。監督には珍しいカラー作品で遺作。
03月16日(金)
●犬童一心監督「メゾン・ド・ヒミコ」(2005)
メゾン・ド・ヒミコ 特別版 (初回限定生産)角川エンタテインメント
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伝説のオカマバーのママ、ヒミコが開いたゲイ・オンリーの老人ホームの話し。中高齢のゲイの方がたくさん出てきます。これ、サントラが細野晴臣氏なのでCDが出た時にチコッと気になってはいたんですが宣伝が少なかったんですね。そんな私ですら今日観るまでは内容を知らなかったですからね。勿体無いですね。
私は映画のDVDを買ったり借りたりした時、最初に予告編だけをまとめてざっと観ちゃうタチなんですが、オダギリジョーと柴崎コウのラブ・ロマンスか?くらいの認識だったので驚きました。ゲイの世界のタブーとノン気の世界のタブーの対比なんかは割りあい丁寧に描かれてたと思うんですが、せっかく挑んだからにはもう少し深く突っ込んで欲しかった気もしました。
過去にノン気を3人引き込んだことがある、と自慢するオダギリが4人目を引き込む描写は上手いですねェ。惚れられてるのを承知で無視したりとか、そこらへんは恋愛のシーンとなんら変わらない訳だし。柴崎コウは女優としてこういった言わばアート志向のモノにも対応できるんだから「日本沈没」とかしょうもない仕事は断って良い気もしたんですけどね。事務所の都合もあるんでしょうか。
●鈴木清順監督「陽炎座」(1981)
陽炎座ジェネオン エンタテインメント
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私はこれで自分を結構シュールなギャグとか嫌いなほうじゃないゼ~、みたいに思っているフシがあって、それだけに逆に完全にハメられましたね。そんなもんはラストの為の添え物でしかないんですねェ。こういう種類の映像美を構築する監督は絶対に日常のフリートークでも面白いハズだと確信しましたね。オチの場面までは絶対に言っちゃいけないワードとか見せちゃいけないアングルとか、縛りがキツイほうがドカンと効くことを知りぬいてる感じがしました。松田優作の冷めた狼狽ぶりが素晴らしい。大楠道代の渾身の一作ですね。
03月15日(木)
●ケン・フィンクルマン監督「フライングハイ 2」(1982)
フライング ハイ2パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
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前作のヒットを受けての続編ですが、ジム・エイブラハム等のスタッフは不在で、部分的には悪ノリ的な匂いも感じた。コメディーだからこそ設定の詰めはキッチリやって欲しいと思った。
●大島渚監督「GOHATTO 御法度」(1999)
御法度松竹
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司馬遼太郎の原作は未読ですが、まァ、とにかく新撰組を斬新な解釈で送る物語。全編、これ「衆道(しゅうどう)」と呼ばれる同性愛の気(け)のあるヤツばっかしじゃん。もの凄い娯楽性と、この後撮ってないことを考えると半分ヤケクソだったのか?とも勘繰ってしまいますねェ。ほとんど前人未到の凄まじいキャスティングに完全に参りましたね。
崔洋一が演じる近藤勇のムッツリ助平ぶりが堪らん感じ。浅野忠信らを含めて男どもが血まなこで松田龍平の取り合いになっていく悲喜劇。観客の気持ちを先取りしてビートたけし演じる土方歳三の心の声が「コイツもその気があったのか!」と劇中に何度も入るのがジワジワ~っと効いてくる作りです。坂上次郎に40歳代の役は無理があると思った。出てきていきなり打ち首になる田中要次のインパクトが強かった。
●降旗康男監督「鉄道員(ぽっぽや)」(1999)(東映)
鉄道員(ぽっぽや)東映
¥ 5,040 (定価)
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直木賞受賞の浅田次郎の原作は未読ですが、まァ、毒のないヒューマン・ドラマに仕上がってるんじゃないでしょうか。北海道のローカル線廃止に伴って勤勉な主人公の人生を振り返る展開。カタブツの旦那のせいで幸せを見ないまま亡くなる妻は大竹しのぶ。監督も高倉健も世代的には戦中派のようですが劇中のテイストはモロに団塊の香りがムンムンですね。
団塊世代の功罪については賛否あるとは思うんですが、こういうこれまでの勤勉さをねぎらうだけような展開のモノって、本当にゴメンナサイ、申し訳ないのを承知で恐縮しながら言わせて頂くんですが、スイマセン、ムシズが走ります。団塊と団塊ジュニア世代には結構なんら違和感なく受け入れられる感覚だとは思うんですが本当に私は困ってしまうんですね。
私のようなボンクラが、ただフツーに生きていくだけでも添加物やら増税やら近隣アジア諸国の経済発展やらで、えらくハードだというのに、その上更にこういった自分達(自分、じゃなく自分達、というトコもポイント)だけを美化する輩の手法が市民権を得ている状況って、もう堪らない感じなんですけどね。
●新藤兼人監督「生きたい」(1999)
生きたい角川エンタテインメント
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オモロイ。監督は既に80歳を超えてるハズなんですが、この、言葉のギャグじゃなくストーリーテリングの上手さが圧巻、爆笑ですね。民話の「楢山節考」の再現ドラマを挟みながら進む、現代ニッポンにおける老人の生きにくさを徹底的にえぐり、しかも笑い飛ばす感じ。お漏らしが直らない半ボケ老人が三國連太郎。男の威厳もプライドもなく失禁を詫びる軽~いカンジ、凄い役者ですねェ。その父親のせいで躁鬱症にかかり結婚に行き遅れる長女が大竹しのぶ。ソフトな可愛い女よりも、こうした気が強くて口の悪いコミカルな役どころのほうが上手いんじゃないですかねェ。しかも躁鬱だから考えようによっては二役やってるみたいなもんで女優冥利というか、もうノリまくってる印象でしたね。入退院を繰り返す病院の医師が柄本明。再現ドラマの老婆が吉田日出子。
03月14日(水)
●内田吐夢監督「飢餓海峡」(1964)(東映)
飢餓海峡東映
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一時的に在庫切れですが、商品が入
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凄いとは思うんですが、3時間はどう考えても長すぎですよ。2時間で収めましょうよ~、ですよ。犯行から長い年月を経て追い詰められる三國連太郎が良かったですね。伴淳三郎がシリアスなベテラン刑事役を、高倉健が若い刑事を演じてます。
最近になって気付いたんですが昔の映画に90分サイズの物が多いのは、かつて2本立てが劇場の当たり前のスタイルだったっていう事なんですね。娯楽の中心が映画であり、他に娯楽が少なかった時代に。年に何本かの大型作品は1本で役者もスタッフも金を注ぎ込んで3時間かけると。なんかムリヤリ長く伸ばしたような感じって私は本当につらいんですけどね。集中力が続かないタチと言うか。
●崔洋一監督「血と骨」(2004)(松竹)
血と骨ポニーキャニオン
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凄く良く出来てる良い作品だと思います。なので、あえて気に掛かった点を言うと、主人公の在日朝鮮人にビートたけしを起用した為、どうしても関西弁が気になった。この手の役柄にはハマっているが「夜叉」や「コミック雑誌なんかいらない」など80年代の作品で演じきってしまった感が強いと思った。監督が他に思い浮かばなかったというからには日本の俳優陣にも問題があるのか?と思った。
●山田洋次監督「男はつらいよ」(1969)(松竹)
男はつらいよ松竹
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多分、初見です。私は寅さんに対する男の憧れとか全くないんですが、起承転結やら、ペース配分やら映画として良く出来てますね。倍賞千恵子はメチャメチャ上手いですね。「家族」や「駅」ではピンと来なかった私にも、女優として周りを喰う場面を何度か感じましたね。前田吟の実直な感じもメチャメチャ良かったです。結果何が言いたいかというと、凄く良かったです。
●豊田利晃監督「空中庭園」(2005)
空中庭園 通常版ポニーキャニオン
¥ 3,990 (定価)
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イビツな家族、2005年版ですね。ちょっと繊細が過ぎたなァ~という感じがしますねェ。板尾創路と小泉今日子を夫婦役に組ませるとかエロ家庭教師にソニンを使うとか、キャスティングだけ見たら凄い傑作の匂いがムンムンなのに終盤惜しかったですねェ。ナイーヴもほどほどにして欲しいですね。
03月13日(火)
●鈴木清順監督「殺しの烙印」(1967)(日活)
殺しの烙印日活
¥ 4,935 (定価)
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当時としてはかなり画期的な出来なのでは。狙撃の殺し屋、宍戸錠を大フィーチャーしたアクション映画。真理アンヌが若い、そして美しい。「007」より後だけど「ゴルゴ13」前にこれだけの設定を作り上げた功績はデカイんじゃないかと思いましたね。
03月12日(月)
●溝口健二監督「祇園の姉妹」(1936)(第一映画)
祇園の姉妹角川エンタテインメント
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芸者の生活をリアルに描いた為、当時は祇園からクレームさえあったらしいんですが、芸者遊びの裏側どころか表も知らない私にとっては何とも言いようがない時間を過ごしましたね。時代も時代ですしね。幼い山田五十鈴の存在感は凄いと思うんですけどね。
●伊丹十三監督「タンポポ」(1985)
タンポポジェネオン エンタテインメント
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基本的にはタンポポこと宮本信子が経営する不味いラーメン屋を立て直す物語。味にうるさいトラック運転手には山崎努とまだ若い渡辺謙。本筋と関係ない食にまつわるサブストーリーは珠玉混在ですが、白スーツの男こと役所広司が生ガキを食べる場面が抜群に良かったですねェ。
●中島哲也監督「下妻物語」(2004)
下妻物語 スペシャル・エディション 〈2枚組〉東宝
¥ 6,300 (定価)
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オモロイ。茨城県下妻のヤンキーとロリータの変わった女の友情モノ。TBSと大人計画が築いた21世紀アタマの映像感覚の延長にあると言っていいんじゃないでしょうか。10年くらい経ったら良い意味で懐かしくなるタイプの。演出のせいか、土屋アンナも深田恭子も全然良いですねェ。レディースの頭の小池栄子は凄いハマリ役。演技を超えてる感じ。
●大島渚監督「青春残酷物語」(1960)(松竹)
青春残酷物語松竹
¥ 3,990 (定価)
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青春とは恋でも夢でもなく怒りだ、と監督は言うのだが、イマイチ共感できなかった。私が腑抜けた人生を送って来たのだと言われればそれまでなのだが。川津祐介は色気があるなァと思った。当時の道玄坂や木場の風景、デモ隊の行進が時代を感じさせますね。
03月11日(日)
●ジム・エイブラハムズ監督「フライングハイ」(1980)
フライング ハイパラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
¥ 1,000 (定価)
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オモロイ。凄いわコレ。「裸の銃」シリーズへの流れをやっと知った感じ。70年代に大流行したパニック・ムービーのお約束シーンを破壊しまくる衝撃の一本ですね。
03月10日(土)
●藤田敏八監督「八月の濡れた砂」(1971)(日活・ダイニチ)
八月の濡れた砂日活
¥ 4,935 (定価)
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「ツィゴイネルワイゼン」で俳優やってた藤田敏八に惚れたんですが、こっちは時代ですかね。主人公、村野武範は瑞々しく撮れてると思うし、性的描写も当時にしては頑張ったんだろうとは思うんですけどね。大人に反抗する若者の気持ちは普遍不滅なんでしょうが、多くの大人の考え方なんて時代に左右されるものでしかないので狙いや機能の大半は失われてるんじゃないかと感じましたねェ。
●今村昌平監督「復讐するは我にあり」(1979)(松竹)
復讐するは我にあり松竹
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逮捕された緒形拳の警察署までのパトカー護送中にこれまでの犯罪暦を挿入する形で進む構成です。非常に犯罪ドラマらしい犯罪ドラマですねェ。法的に裁かれるであろう犯人に対して、その父の三國連太郎と義理の娘の倍賞美津子の裁かれない背徳がアクセントで効いてますね。もはや止めさせることすらしない母、ミヤコ蝶々も良かったです。名前や身分を偽っての嘘だらけの逃亡の旅は意外にこの後の指名手配犯たちに影響を与えたんじゃないですかね。逃亡先の宿の清川虹子、小川真由美の親娘は上手いですねェ。菅井きん本当に出まくってるな。
03月09日(金)
●溝口健二監督「雨月物語」(1953)(大映)
雨月物語角川エンタテインメント
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チョーやばい(死語)!何なんですかコレは!メッチャメチャ面白いんですけど!もっと、こう、なんか歌舞伎とか能とか、良く知らんけどまどろっこしい幻想的な先入観を勝手に持ってたんですが、ある種TVの「まんが日本昔話し」の持ってる躍動感の大人版ですね。序盤の人情ドラマに喰い付き、中盤からの不吉な展開に爆笑!乱暴な言い方だけど「ごっつええ感じ」テイストすら感じたほどです。グイグイのめり込みましたねェ。
家族の為に陶芸で稼ぎたい兄、源十郎(森雅之)
堅実に暮らすだけでいい兄の妻、宮木(田中絹代)
アホ百姓で侍に憧れる弟、藤兵衛(小澤栄)
アホ夫のせいでヤケになる弟の妻、阿濱(水戸光子)
謎の姫、若狭(京マチ子)
まずは最初の設定作りが上手いですねェ。いちいち全員、何もゼータク言ってる訳じゃなくて、ただ自分は××したいだけなのに上手く噛みあわない的な真っ当な庶民感覚。思いの他、腕の良さから陶器が売れ始めるあたりからグイグイ展開して行きます。姫の色仕掛けに鼻の下を伸ばす森雅之は情けなくて上手かったですね。「浮雲」のフニャケけた二枚目なんかよりも、もう全然良かったです。
思うに日本人って、竜宮城だァ鬼ヶ島だァ玉手箱だァって、ファンタジー解読能力の基礎レベルがメチャメチャ高い国民性なんじゃないですかね。ハイハイ、その話しの世界観の中ではそういう設定なのねって云う、あ・うんの共通認識が出来上がってる感じがするのよね。かと言って実際に自分のアパートにお化け出たらヤだけど、そういう異界(アナザー・ワールド)の入り口がすぐ近所の角にあるかも?っていう展開に違和感が無いもんね。フンフン、この場合は主人公だけに見えてるパターンなのね、ハイハイ、みたいな読解力が高いと思うんですよね。しかも元を辿れば結局は主人公の身から出たサビなんじゃないのかい?仕方ないんじゃないのかい?みたいな因果関係を含ませたりして。欧米の何かって言うと殺るか殺られるかの一騎打ち!みたいなね。あのパターン、何なんでしょうね?
03月08日(木)
●鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」(1980)(シネマ・プラセット)
ツィゴイネルワイゼンジェネオン エンタテインメント
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スッ、スッ、スゲエ!ある種、金字塔ですねコレは。内田百閒です。丸尾末広ワールドですね(逆)。野性的で自由奔放な原田芳雄よりむしろ原田に翻弄される藤田敏八(ふじた・としや)がメチャクチャ良かったですねェ。そしてなんと言っても二役演じた大谷直子。あの指パッチン場面は拡大プリントして壁に貼りたくなるほどの衝撃でした。
映画に限らず、あ・この感じ良いなァ素敵だなァと感じるって事は、その感覚に反応する回路はあらかじめ所有していた証明だと思うんですが、その感覚を時代のトレンドを完全無視でフルスロットルで一本に詰め込んで発信する作業って、私なんかにゃ想像を絶する世界ですねェ。
●木下恵介監督「カルメン故郷に帰る」(1951)(松竹)
カルメン故郷に帰る松竹
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劇場公開から56年ですか。本当にコメディーは難しいですねェ。完ッ全に年月の経過に負けてしまってる印象ですね。当時もリバイバル上映の制度はあったんでしょうが、数十年後の観客の目にはどう映るのだろうか?なんて想定して撮ってないでしょうしね。まだTVすら無い時代ですからね。DVDなんか言われてもォ、ですよね。
東京で芸術的な(?)ストリッパーとして名を上げたカルメンが里帰りするのはいいんだけどさ、設定が詰めれてないのよね。注目されたいのかされたくないのか?チヤホヤされたいのか後ろめたいから放っておいてほしいのか、とか表す描写が足りないもんだから村人の大騒ぎが単純に文字通り大騒ぎだけで終わってしまってるのよね。すげ、もったいない感じ。図に乗るのなら乗りまくって、恐縮するなら小さくなって、とか何かしら膨らませ方あったと思うんですけどね。どこでも良いから方向性、どっかしらには決めないと。
更に運の悪いことに当時はド田舎のつもりで設定した村で、わざわざ軽井沢の看板を映してしまってるんですが、70年代のリゾート開発で今となってはどっちかと言うと品のある土地柄みたいにもなってますしね。完全に裏目に出てしまってますねェ。
03月07日(水)
●野村芳太郎監督「砂の器」(1974)(松竹)
砂の器 デジタルリマスター版松竹
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松本清張本人が原作を越えたと絶賛したらしいのですが、正直ハマらない感じですね。確かに斬新は斬新だと思うんですが、大袈裟で仰々し過ぎる印象です。正直、2時間で収めましょうよ~、ってのが本心ですねェ。逆に戦後の混乱期で戸籍登録が焼失したあたりの説明の件はちょっとアッサリ飛ばしたなァと。犯人、加藤剛の葛藤ももっと観たかったけど、これって私が見落としてるだけなの?執念のベテラン刑事が丹波哲郎、若手刑事が森田健作。野村昭子はアパートの管理人ばっか演じてる。菅井きん、出すぎじゃないか?
つか、映画に限らずそもそも日本人って2時間とか3時間のサイズで客人を退屈させずにもてなす風習あったんですかね?今も昔もなし崩しの酒宴はおなじみですが。浪曲やら落語やら色んな芸人が入れ替わりでたくさん出る寄席は人気あったんだろうけど、一本モノの作品を庶民が劇場で楽しむ文化があったのかどうかが疑問に感じました。
●行定勲監督「GO」(2001)(東映)
GO東映
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オモロイっすねェ。これ、2001年ですか。完全に「パッチギ」のたたき台にされたんじゃないですかね?何故こんな凄い監督が「北の零年」みたいな凡庸な仕事をしてしまってるのか?正直、理解に苦しみます。直木賞の原作は未読ですが、かなり脚本担当の宮藤官九郎テイストに塗り直されてるんじゃないですかねェ。在日朝鮮人役の窪塚洋介と日本人、柴咲コウのラブストーリー。二人の会話のシーンは台詞もテンポも良いですねェ。窪塚の両親が山崎努、大竹しのぶ。
03月06日(火)
●浦山桐郎監督「キューポラのある街」(1962)(日活)
キューポラのある街日活
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埼玉県川口市エリアの鋳物工場地区の貧しい長屋の物語。しかしこの時期の邦画って、高度経済成長期に対して一石を投じるスタンスみたいなのばっかよね。ある種のプロレタリア感がかろうじて成立していたと見るべきなのか。腕は良いのに酒呑んで暴れる古いタイプの職人役の東野英治郎は機械制御の工場になじめず職なしに。当然、悪循環で更に呑み逆ギレ、女子供に怒鳴り散らす。そんな貧しい家の父親に来るべき民主主義を説いて更に怒鳴られる長女が吉永小百合。言っても中3ですからね。嘘ついてパチンコ屋でアルバイトしたり、自立して夜間高校通う決意を見せたりとかちょっと大人すぎるぜ。菅井きんがまた出ていた。
●成瀬巳喜男監督「浮雲」(1955)(東宝)
浮雲東宝
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ダッ、ダッ、ダメな奴ですねェ~。自殺こそしませんが太宰を観る思いですね。女に見境なくだらしない感じ。まあ主人公の森雅之の顔立ちのせいも多分にありますが。本物か偽者かは別にしてインテリ風の金の無い二枚目に惚れてしまう女って絶対いますからね。不思議ですね。生活力もなくてね。会話とか全然面白くないのにね。正規雇用社員じゃないことに対するコンプレックスを過剰に刷り込まれたのは長い日本の歴史の中でもここ40年くらいなのを教わるようでしたね。
●佐藤純弥監督「新幹線大爆破」(1975)(東映)
新幹線大爆破東映
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再び。30年ぶりくらい。東京発博多行きのひかりに高倉健率いる犯罪チームが爆弾を仕掛ける。発車後に国鉄総裁宛の脅迫電話で明かされるのは時速80キロ以下に落とすと爆発する事実。「スピード」(1994)って観てないけど完全に元ネタですかね。いくら速度調整しても、名古屋や大阪で停車せず通過しても、いつか必ず博多にはたどり着いてしまうという所が最大のポイント。凄い発想力ですね。犯人との国鉄側の窓口役が宇津井健。緊迫する車両運転士が千葉真一、アツイ。乗務員がまだ若い小林念侍。端役も豪華だ。北大路欣也は当時から顔に力が入りすぎ。
03月05日(月)
●バスター・キートン監督「キートンの探偵学入門」(1924)
キートンの探偵学入門アイ・ヴィー・シー
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映画館の映写技師で私立探偵見習いの主人公、要するにキチンとした職につけてない若者のキートンが夢うつつで上映中のスクリーンの物語の中に入って行ってしまうという前世紀的な発想の作品。もう私にとっては何をどう撮ろうがオール・オッケーの監督の一人になり始めてますねェ。本人とっくに亡くなってるので、まさか2007年の日本でDVDで感動してる中年のことなど全く想定なさってなかったんでしょうけど。
●川島雄三監督「幕末太陽傳」(1957)(日活)
幕末太陽傳日活
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冒頭、赤線とか売春宿とかフツーにあったよねェ品川辺りにねェ、ってわざわざ丁寧に始めてる時点で、なるほどこの頃には既にフツーじゃなくなり始めてたのか?と推理出来ます、親切な作りです。どう考えても、とんちの効いた無一文のフランキー堺を中心に贈る痛快娯楽時代劇として機能してたんでしょうが、編集がゆるいですねェ。ここまではやり込められてる展開、次のチャプターからは一転して周りをギャフンと、みたいな脚本のメリハリを当時はこれでも効かせてた感じなんですかねェ。50年前なのに既に菅井きんはお座敷で客を取らずにババア役です。凄い女優ですね。
別件ですけど、やっぱTSUTAYAって凄いですねェ。資本力が違うわ。今日び、どんな業種でも全国チェーンばっかなので個人経営の商売やってるトコってキホン応援したい派なんですが、結局レンタルショップの売りって最終的には品揃えですからねェ。
03月04日(日)
●ルイス・ブニュエル監督「アンダルシアの犬」(1928)
アンダルシアの犬アイ・ヴィー・シー
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あの有名な目のシーンのせいで先延ばしを続けてきましたが、ついに観ました。その冒頭のシーンさえ終わったら凄いスタイリッシュなんですねェ。
03月03日(土)
●降旗康男監督「駅 STATION」(1981)(東宝)
駅 STATION東宝
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先輩刑事の大滝秀治を殺した犯人を数年がかりで追う高倉健の話し。冒頭いきなり離婚するいしだあゆみとのシーン、良いですねェ。倍賞千恵子は安い女の役ですねェ。脚本は倉本聰なんですが、物語の柱の大部分でのこの女が絡む場面のほとんどが私には全然しっくりハマって来ないんですねェ。ラストのオチがあるから劇中での役割は当然分かるんですけど色恋に発展する流れに全く乗っかって行けないんですね。私も、まさか自分を心身ともに立派ないっぱしの日本男児代表だなどとは夢にも思っていませんが、あーゆー感じってなんなんでしょうかね?脚本家に恋愛経験が少ないのか、遊びの恋を低く見てるのか、そもそも女性をバカだと見てるのか?単にそういう役柄に描いたのか?私には読み取れない崇高な愛のサインのやりとりが劇中で行われているのか?あの役だけ気になりますね。
●澤井信一郎監督「Wの悲劇」(1984)(東映)
Wの悲劇角川エンタテインメント
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ティーン市場向けの和製ミステリーですね。トップ女優役の三田佳子と意外に元劇団員役の世良正則が上手かったです。人気俳優役の三田村邦彦はヒドすぎですね。必殺仕事人では結構カッコ良かったイメージがあったのに、学芸会と言ってはあんまりですが、何?コレ、かくし芸大会?って場面が私には結構ありました。研究生、薬師丸ひろ子との掛け合い場面なんかは、もう居たたまれない感じでしたね。角川春樹は本作で薬師丸ひろ子を少女役から本格女優に!という作戦だったようですが今となってはお寒い限りですねェ。
●森田芳光監督「家族ゲーム」(1983)(ATG)
家族ゲームジェネオン エンタテインメント
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日本版イビツな家族モノ、ですね。こういうの本気で楽しめるようになったのは私の年齢もありますが一人暮らし暦が十分に長くなったからかもしれません。実家に居た時は全く興味なかったですからね、80年代のホームドラマなんて嘘臭くて特に。台詞スカスカで抑揚なしの棒読みとか懐かしいですね。日本の映画とドラマにかなり影響を与えたんじゃないでしょうかね。家庭教師の松田優作と雇い主の伊丹十三の絡みがオモロイですね。二人とも亡くなってますね。
03月02日(金)
●大友克洋監督「AKIRA」(1988)(東宝)
AKIRA DTS sound editionジェネオン エンタテインメント
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カッケー!ですね。物語の設定、柱は今でもシッカリしてますが、ヤンマガの連載開始から映画化までの7~8年の時間差はさすがにキビシイでしょう。そもそもが週刊連載で細切れにするスケールの物語じゃないですよね、どう考えても。核戦争後のネオ東京、2019年の若者たちの生活、思想はまるで70年代の全共闘世代のように熱く、シラケ世代(死語)の私には違和感が残りますねェ。
●トニー・スコット監督「スパイ・ゲーム」(2001)
スパイ・ゲーム東宝
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TVにて。久しぶりのロバート・レッドフォードがブラッド・ピットと競演している。とにかく男の世界とか美学を描きたい監督なんだということだけは受け止めました。まあ、どう考えても近日公開予定の「デジャ・ヴ」の前フリですね。
03月01日(木)
●深作欣二監督「蒲田行進曲」(1982)(松竹)
蒲田行進曲松竹
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超オモロイっすねェ。1981年の直木賞ですか。邦画を少しまとめて観てみようっていう入門時にコレ以上にふさわしいモノも他に無いですね。その国の映画文化をテーマにした映画がある国って素晴らしいですね。インドとか韓国とか最近アツイみたいですけど、そーゆー映画あるんですかね。でもこのタイトルは、どう考えても蒲田撮影所へ贈るラブコールの筈なのに京都の話しにされちゃってますね。平田満と松坂慶子は渾身の演技ですね。萩原流行が若い!そして、まだクドくない。清川虹子は風呂場のシーンが凄かった。母親の目ですねェ。
●宮崎駿監督「天空の城ラピュタ」(1984)
天空の城ラピュタブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
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今回ちょっと不思議な感じで見ましたねェ。ジブリ物って、ストーリー展開が巧みなせいか、洋画の合間に見る分には全く見劣りを感じていなかったんですが、実写物の邦画で挟むと非常に甘ったるく感じるんですね。あと、基本的に純真な少女と豪快なオバちゃんしか出てこないのね。その中間の女性が全く描かれていないかのような。平面に描いた絵空事に観客の気持ちを引き込むテクニックは凄いと思うんですが、高い所から落ちそうになる、あわや!のアイディア使いすぎじゃない?「カリオストロ」から「千と千尋」まで毎ッ回じゃないですか?
●長谷川和彦監督「太陽を盗んだ男」(1979)(東宝)
太陽を盗んだ男アミューズソフトエンタテインメント
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再び。25年ぶりくらい。悪ふざけと当時の先端のセンス、ギリッギリですねェ。中学の理科教師が自宅アパートで作った原子爆弾で国家権力と対決するブッ飛んだ(死語)物語。唯一、秋葉原でも手に入らない最後のパーツ、プルトニウムは原子力発電所に単身で盗みに入る。確認できたとまでは言い難いが、沢田研二が担任するクラスの生徒役で戸川京子と香山リカが出ている!ビルの屋上で犯人を捕まえようとする刑事、菅原文太に原爆入りのスポーツバッグを振り回しながら応戦するジュリーの姿が泣ける。
●山田洋次監督「家族」(1970)(松竹)
家族松竹
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湿ってますねェ。良く出来てるとは思うんですが、とにかくメチャメチャ湿ってますね。長崎の孤島の一家が酪農の職を求めて北海道へ向かう数日間を追った、ある種の日本縦断ロード・ムービー。高度成長のこの時代、こんなシリアスなモノを撮った監督は気持ちイイかも知れんけどさ、日本人の7~8割を占める、いわゆる田舎者は身も蓋もなかったんじゃないか?大阪も東京も来ちゃいかんよ的な。更に、お前ら一家なんでそんなに物を知らないの?って描写は悲しいほど容赦ない感じ。堪らないですねェ。監督はそんなつもりで撮ってないんでしょうが、部分的には完全にホラー映画ですよ。後半とかコワ過ぎだってば。劇中の井川比佐志、倍賞千恵子夫婦の年齢を、既に現在の私は超えてると思うんですが、それでも自分じゃなく自分の両親を見てるような感覚で観ましたね。