2008年01月01日: お湯ゲノム的映画祭 2007
2007年、突然「映画を観とかなきゃヤバイかも?結構すぐ目で」と、目覚めてしまい新旧、東西の映画を急に観始めたのは御存知の通りです。結局、年間で400本に近い数の映画を観て370本を越える初見作品、「マイ・新作」に触れた一年でした。
突然その気になったからといって、歴史ある映画文化の核心にそう易々と入り込める筈もなく、画面に流れるエンド・ロールを前に頭上に「?」を飛ばしまくった事も多かったです。今まで映画のどういう部分をどういう風にどう評価するのか?という自分なりの基準が明確に無かったのですから当然と言えば当然なのですが。頭の中に自分専用の地図やメジャーをようやく作り始めた時期、春先の数週間は私の人生の中でも幸福な時間だったと、今では思います。
よく映画ファンの方が言う、映画は劇場で観てこそのモノだ!という感覚は元々持ってないタチだったのですが、今年これだけの数の名作にDVDで触れてみて、私はますます、そういった劇場主義的な意見に賛成しかねる感じになりました。最高の間(ま)とか狙ってる編集に対しては、やっぱりツッコミたいタイプの人間なんですかね。私は周りの迷惑を考えると映画館ではあんまり楽しめないんですよね。他の人よりも座高が異常に高いのも後ろの人に気ィ使いますしね。
そんなこんなで、いろいろ観た2007年、私の心に響いた、残った、訴えたモノを格好付けずに正直に、映画祭形式でお送りします。SFやアクションが1本も入っていないドラマづくしのこの結果に、自分が一番驚きました。ある意味、完成度の高い長編コント選みたいでもありますね。一年間、本当にどうもありがとうございました。
★金虎賞(最優秀作品)★
ペドロ・アルモドバル監督「トーク・トゥ・ハー」(2002)
上半期は「雨月物語」と「アメリカン・ビューティー」とで悩みましたが、コレに決定です。本当に命(生殖行為も含めて)とか生き死にが主題の映画ばっか選んでますね、私ね。
★優秀作品賞★(順不同)
バスター・キートン監督「キートンの大列車追跡」(1926)
マルクス兄弟の「我輩はカモである」と悩んだ末こちらを。西部劇的な男の世界観の対極。そして南部にも知性はある。どれ観ても一緒じゃね?って気もしますが、やはりコレで。
溝口健二監督「雨月物語」(1954)
童話の因果応報の黄金パターン。ベタとスタンダードだけで構築されて、奇をてらったふざけたような箇所が皆無。それが最高にオモロかったですね。京マチ子、コワ過ぎだってば。
山田洋次監督「家族」(1970)
「リトル・ミス・サンシャイン(2006)」ではなく、陰惨で元ネタ的なほうを。「男はつらいよ」のシリーズ開始と同時期にあって対極。「また観たい」とは絶対に思わないのに、残ってしまって消えないタイプ。
トビー・フーパー監督「悪魔のいけにえ」(1974)
他に比較になる作品が無いという、ある種孤高のレベル。ホラーでも何でもない。ラスト数分は悪魔うんぬんと言うよりも、むしろ神がかり的な空気を感じましたね。
寺山修司監督「田園に死す」(1974)
物語的な起承転結の構成力じゃなく、イメージ喚起力の強さでこれを。「自分は一体何者なんだ?」ってテーマは、映画に限らず主題に成りづらい時代になりましたね、つくづくね。
ブライアン・デ・パルマ監督「殺しのドレス」(1980)
序盤、美術館からアパートへの、セリフ無しの二十数分間が圧巻ですね。こんな構成、観た事ないですよ。この場面だけを観たさに今でも時々引っ張り出して再生しています。
ジョエル・コーエン監督「赤ちゃん泥棒」(1987)
「バートン・フィンク(1991)」でも「ファーゴ(1996)」でもなく格好付けずに正直にこちらを。撮る側の若さもあったんだろうけど躊躇なしの勢いがありますね。相当バカっぽいですけどね。
新藤兼人監督「生きたい」(1999)
「裸の島(1960)」と「鬼婆(1964)」と一瞬は悩むものの、断トツ(死語)でこちらを。乙羽信子夫人を亡くされた後のモノですが、大竹しのぶの破壊力があってこその1本。
サム・メンデス監督「アメリカン・ビューティー」(1999)
最も回数を多く観たと言えばコレ。登場人物の全員が自分みたいだなァ、と思った。そう、要するにフツーの(狂った)現代人。途上国でもない限り「大地のうた(1955)」には戻れない。
西川美和監督「ゆれる」(2006)
「なんで今言う?」「ここはナシかい!」とにかくツッコミながら観たい1本。キム兄と蟹江敬三の法廷劇というシュールな絵ヅラすら吹き飛ばす、香川照之ワンマン・ショー。
★最優秀主演男優賞★
バスター・キートン
「キートンの大列車追跡(1926)」のジョニー・グレイ役
他に「キートンの蒸気船(1928)」「キートンの探偵学入門(1924)」「荒武者キートン(1923)」にも主演。次点は原田芳雄、沢田研二、ケヴィン・スペイシー、等。
★最優秀主演女優賞★
ジュリアン・ムーア
「ビッグ・リボウスキ(1998)」のモード・リボウスキ役
他に「めぐりあう時間たち(2002)」「マグノリア(1999)」「ブギーナイツ(1997)」にも出演。次点は、大竹しのぶ。
★銀虎賞(最優秀監督)★
ペドロ・アルモドバル監督
「トーク・トゥ・ハー(2002)」「オール・アバウト・マイ・マザー(1999)」「アタメ / 私をしばって(1989)」を監督。とりあえず、言うほど知らないんで。これからいろいろ観てみます。
★最優秀新人監督賞★
松本人志監督「大日本人(2007)」
他に新人監督を知らないのもありますが。世間の期待値は越えて見せたんじゃないでしょうか。
突然その気になったからといって、歴史ある映画文化の核心にそう易々と入り込める筈もなく、画面に流れるエンド・ロールを前に頭上に「?」を飛ばしまくった事も多かったです。今まで映画のどういう部分をどういう風にどう評価するのか?という自分なりの基準が明確に無かったのですから当然と言えば当然なのですが。頭の中に自分専用の地図やメジャーをようやく作り始めた時期、春先の数週間は私の人生の中でも幸福な時間だったと、今では思います。
よく映画ファンの方が言う、映画は劇場で観てこそのモノだ!という感覚は元々持ってないタチだったのですが、今年これだけの数の名作にDVDで触れてみて、私はますます、そういった劇場主義的な意見に賛成しかねる感じになりました。最高の間(ま)とか狙ってる編集に対しては、やっぱりツッコミたいタイプの人間なんですかね。私は周りの迷惑を考えると映画館ではあんまり楽しめないんですよね。他の人よりも座高が異常に高いのも後ろの人に気ィ使いますしね。
そんなこんなで、いろいろ観た2007年、私の心に響いた、残った、訴えたモノを格好付けずに正直に、映画祭形式でお送りします。SFやアクションが1本も入っていないドラマづくしのこの結果に、自分が一番驚きました。ある意味、完成度の高い長編コント選みたいでもありますね。一年間、本当にどうもありがとうございました。
★金虎賞(最優秀作品)★
ペドロ・アルモドバル監督「トーク・トゥ・ハー」(2002)
上半期は「雨月物語」と「アメリカン・ビューティー」とで悩みましたが、コレに決定です。本当に命(生殖行為も含めて)とか生き死にが主題の映画ばっか選んでますね、私ね。
★優秀作品賞★(順不同)
バスター・キートン監督「キートンの大列車追跡」(1926)
久石譲 meets “THE GENERAL” キートンの大列車追跡<80周年記念リマスター・ヴァージョン>
video maker(VC/DAS)(D)
2006/12/08
¥ 4,935
DVD
video maker(VC/DAS)(D)
2006/12/08
¥ 4,935
DVD
マルクス兄弟の「我輩はカモである」と悩んだ末こちらを。西部劇的な男の世界観の対極。そして南部にも知性はある。どれ観ても一緒じゃね?って気もしますが、やはりコレで。
溝口健二監督「雨月物語」(1954)
童話の因果応報の黄金パターン。ベタとスタンダードだけで構築されて、奇をてらったふざけたような箇所が皆無。それが最高にオモロかったですね。京マチ子、コワ過ぎだってば。
山田洋次監督「家族」(1970)
「リトル・ミス・サンシャイン(2006)」ではなく、陰惨で元ネタ的なほうを。「男はつらいよ」のシリーズ開始と同時期にあって対極。「また観たい」とは絶対に思わないのに、残ってしまって消えないタイプ。
トビー・フーパー監督「悪魔のいけにえ」(1974)
他に比較になる作品が無いという、ある種孤高のレベル。ホラーでも何でもない。ラスト数分は悪魔うんぬんと言うよりも、むしろ神がかり的な空気を感じましたね。
寺山修司監督「田園に死す」(1974)
物語的な起承転結の構成力じゃなく、イメージ喚起力の強さでこれを。「自分は一体何者なんだ?」ってテーマは、映画に限らず主題に成りづらい時代になりましたね、つくづくね。
ブライアン・デ・パルマ監督「殺しのドレス」(1980)
序盤、美術館からアパートへの、セリフ無しの二十数分間が圧巻ですね。こんな構成、観た事ないですよ。この場面だけを観たさに今でも時々引っ張り出して再生しています。
ジョエル・コーエン監督「赤ちゃん泥棒」(1987)
「バートン・フィンク(1991)」でも「ファーゴ(1996)」でもなく格好付けずに正直にこちらを。撮る側の若さもあったんだろうけど躊躇なしの勢いがありますね。相当バカっぽいですけどね。
新藤兼人監督「生きたい」(1999)
「裸の島(1960)」と「鬼婆(1964)」と一瞬は悩むものの、断トツ(死語)でこちらを。乙羽信子夫人を亡くされた後のモノですが、大竹しのぶの破壊力があってこその1本。
サム・メンデス監督「アメリカン・ビューティー」(1999)
最も回数を多く観たと言えばコレ。登場人物の全員が自分みたいだなァ、と思った。そう、要するにフツーの(狂った)現代人。途上国でもない限り「大地のうた(1955)」には戻れない。
西川美和監督「ゆれる」(2006)
「なんで今言う?」「ここはナシかい!」とにかくツッコミながら観たい1本。キム兄と蟹江敬三の法廷劇というシュールな絵ヅラすら吹き飛ばす、香川照之ワンマン・ショー。
★最優秀主演男優賞★
バスター・キートン
「キートンの大列車追跡(1926)」のジョニー・グレイ役
他に「キートンの蒸気船(1928)」「キートンの探偵学入門(1924)」「荒武者キートン(1923)」にも主演。次点は原田芳雄、沢田研二、ケヴィン・スペイシー、等。
★最優秀主演女優賞★
ジュリアン・ムーア
「ビッグ・リボウスキ(1998)」のモード・リボウスキ役
他に「めぐりあう時間たち(2002)」「マグノリア(1999)」「ブギーナイツ(1997)」にも出演。次点は、大竹しのぶ。
★銀虎賞(最優秀監督)★
ペドロ・アルモドバル監督
「トーク・トゥ・ハー(2002)」「オール・アバウト・マイ・マザー(1999)」「アタメ / 私をしばって(1989)」を監督。とりあえず、言うほど知らないんで。これからいろいろ観てみます。
★最優秀新人監督賞★
松本人志監督「大日本人(2007)」
他に新人監督を知らないのもありますが。世間の期待値は越えて見せたんじゃないでしょうか。










